老人性早起き症候群なもんで、休日であっても普通に4時くらいには目が覚めてしまいます。
まぁそんな訳で、休日の朝は暇なのです。暇なのでスパイスカレー製作に勤しむ私です。
ホールスパイスを数種、焦がさぬ様にテンパリングして油に香りを移し、玉ねぎも飴色になるまで炒めます。
そこにパウダースパイス7〜8種で香りを出し、ホールトマトは酸味が飛ぶまで炒めます。
味付けは塩のみ。
具材は、鶏腿肉、ツナ缶、ひよこ豆、ほうれん草ペーストなどその日の気分で。
ちゃんと本格的な作り方で、本格的なスパイスカレーを製作する訳ですから、まるでお店の味です。
休日の早朝4時台、換気扇からスパイスカレー臭を街に解き放ち、街にプレッシャーを与えていきます。
まぁ、街はまだ眠っているので、誰かがプレッシャーを受ける訳ではございませんけどね。
朝からスパイスカレーで体内からホカホカ気分になったところで、朝のウォーキングに出掛けます。
スパイス効果でTシャツの上はパーカー1枚でも寒くない程。
あ、勿論、下は履いてますよ。
パーカー1枚だけで下半身は裸、って訳じゃありませんので悪しからず。
日曜日の朝は、優雅な気持ちになりたいので、高級住宅街を散歩します。
高級住宅街の台所の換気扇からは、ベーコンをカリカリに焼いているんだろうなって感じの小洒落た匂いが漂ってきます。
また別のお宅からは、フレンチトーストの様な甘ったるいモノを焼いていそうな匂いが漂ってきます。
朝から攻撃的にスパイシーな香りを放つ私とは180°違う上品な香り。
そんな上品な香りを嗅ぎつつ、セレブな民の生活を想像しながら「なんば歩き」で距離を稼ぎます。
ピアノ少年が発表会で、緊張のあまり右手と右脚を同時に出してぎこちなく歩く姿。
なんば歩きとは、そんな歩き方です。
江戸時代までの日本人は全員なんば歩きだったらしく、忍者や飛脚が1日に200kmも移動できたのも、なんば歩きのおかげ。
私はなんば歩きをマスターして、20〜30km歩っても疲れない健脚を手に入れたいのです。
でも、ここは高級住宅街。
私よりも食費が嵩みそうな大型犬を連れた、ハイブランドのキャップ、高そうなスポーツウェアのセレブ女性とすれ違う時なんかは、私も格好つけて元の「西洋歩き」に戻します。
そしてすれ違った直後、すぐになんば歩きに戻します。
そういうなんか良く解らない謎の見栄を張ってしまうタイプです。
西洋歩きよりもなんば歩きが劣るって訳では無いのですけれども、なんかセレブ女性と張り合いたくなり。。
私は、健康なうちに沢山歩って健脚を手に入れ、そして将来は、徘徊老人になろうと思っております。
「おじいちゃん?どこから来たの?」と補導され、「え!?お家から30kmも歩って来たの!?」とお巡りさんに驚いて貰える様に。
まぁ冗談はさておき。
高級住宅街を歩っていると、まるで要塞の様な邸宅があったり、ル・コルビジェの「サヴォア邸」をパクった様なデザイン性の高い邸宅があったり、サンタクロースも侵入しやすそうな立派な煙突が生えていて暖炉があるのが確実な邸宅など、見ていてとても楽しいです。
雪なんか降らない世田谷区なのにギャンブレル屋根のお宅などは、家主は雪深いエリアの出身なのかな?とか、大谷石の石垣のお宅などは、家主は栃木県出身なのかな?とか、色々と想像を飛ばしながら歩くのもまた楽しいです。
ただ、あまりキョロキョロと物色する様にしながらなんば歩きでヒョコヒョコと歩っていると不審者として通報されかねないので、黒目だけを動かします。
まぁ、どちらにしても圧倒的に怪しいですけれども、ね。
毎月100km以上はウォーキングするのを自分に課しているので、必ずスマホのGPSログ取得アプリで歩ったルートと距離と時間をログする様にしています。
また、毎月100kmのノルマをこなす為、高級住宅街の他は「暗渠巡り」でも距離を稼いでいます。
皆さん大好きな暗渠、私も大好きです。
一応、ご存知ない方もいらっしゃるかも知れませんので簡単に説明しますと、暗渠(あんきょ)とは小さな川や生活用水路などにコンクリートで蓋をして、道路や緑道などとして使われている小道などを指しますが、私が住むエリアには、多摩川からの水を畑や田んぼなどに引く為の用水路の名残がいまだにあちこちに残っています。
反面、現代の生活に合わせ、コンクリートで蓋をして生活用の小道として活用されている暗渠もそこいら中にあります。
(ちなみに蓋がされていないものは開渠と言います)
そんな暗渠を巡って歩っていると、橋の親柱や欄干などがいまだに残っていて「大昔、ここには橋があったんだな!」ってことが解ったりします。
恋人達はこの橋で落ち合ったりしてたのかな?とか想像を巡らせるのもまた、楽しみの1つです。
また、クリーニング店や銭湯などの近くには、高確率で暗渠が存在していたりするので、そういった場所を狙って歩くと、昔の人々の暮らしと現代の人々の暮らしのグラデーションを感じることができたりするので、暗渠巡りはとても楽しいですよね。
街を歩き、暗渠を発見すると、Googleマップでピンを立てて「暗渠」と登録します。
(ハートマークがプロットされているところが暗渠)
帰宅後にGoogleマップに立てたピンを俯瞰すると、川や水路として示されていない場所でも「もしかして、この小道は暗渠じゃないのか?」といった気付きに繋がることもあります。
そんな仮説を胸に、翌週末はその場所を確かめに行き、自分が立てた仮説が正しかったことが確認できるとなんかとても満足…みたいな暮らしを送っています。
まぁそんなこんなでブログの更新頻度が下がっておりますけれども、私は元気にしております。
スパイシーな香りを纏ってなんば歩きで黒目のみ動かし暗渠を練り歩く不審者極まりない私ですが、皆さん来年もごきげんよう。