もうかれこれ40年間くらい、蚊に喰われない夏を過ごしております。
蚊に喰われているのに、気付いていないだけ、というのとも違い、本当に全く蚊に喰われません。
小学6年生の頃、少年野球の夏の合宿で蚊に喰われた記憶を最後に、私は蚊に喰われない男になってしまいました。
きっと神様が「この少年がこの先他の人間よりもハードモードな人生を生きて行くのはさぞ辛かろう。せめて蚊に喰われるのだけは免除してやろう」とでも思ったんでしょうね、私の人生はハードモードですが、蚊にだけは喰われる事なく過ごしています。
蚊に喰われた箇所を、爪で×印をつけたりするの、アレ、実は憧れてたりします。
周りの人が痒そうにしながら×印を付けているのを、私は羨望の眼差しで眺めております。
だもんで夏になると、蚊に喰われまくる人を見るとキュンとしちゃう、という謎のシステムが私の中で発動します。
無いものねだりの羨ましさ、何もしてあげられない憤り、自慢の様に思われるのを恐れて近づけないもどかしさ…みたいな感情が入り乱れるんでしょうね、きっと。
蚊に喰われまくってイライラしているご本人の気付かぬ所で、キュンとしている人もいるんだよって事を一応宣言しておきます。
この宣言は一体どこに向けた宣言なのか解りませんが、一応。
なので今年も、ムヒとかウナコーワとか、痒み止めのお薬や、虫除けスプレーなどのCMが流れますが、自分には無縁の世界過ぎて、羨望の眼差しでCMを眺めております。
生物学的に見ると、蚊に喰われないというのは進化なのか退化なのか、ちょっと気になる所ではあります。
仮に進化だとすると、私の血液や細胞を研究機関に提供し、マラリア被害減少の一助になれるかもしれません。
そう言った意味で考えると、私が世界を救う日が来るかもしれません。
闇の研究機関のパイプベッドに縛られ、沢山の管やコードが繋がれたモルモットの様に虚な目で天井を見つめる自分の姿を想像すると、ちょっと怖いですがこれも全て世界を救う為!という事で、研究には全面的に協力します。
逆に退化だとすると、誰からも欲されず、蚊にすら欲されない悲しい男の末路…みたいな姿を想像し、どんよりした気分になります。
たかが蚊に喰われれないというだけで、全人格を否定された気分になるので、退化の方向性はナシで行きます。
で、進化の方向性のみで突き進むと、私の功績は世界を轟かせる事になるので、かつて私がキュンとした蚊に喰われまくる人達からスタンディングオベーションを受ける事となるでしょう。
一部では熱烈なファンが雨後の筍の様に各地で自然発生し、メディアではそんなファン層を「819TMMチルドレン」等と名付ける事になるでしょう。
勿論、私の功績は、世界を救った男として教科書にも載るでしょう。
何だかちょっぴり誇らしい気分になって来ますね。
朝のくだらない妄想で自分のマインドを上向きにコントロールしつつ、今日も一日頑張ろうと思います。
それでは皆さんごきげんよう。