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50代独身おじさんの日常

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主婦業(別名:スーパーマルチタスク業務)

良く、主婦業をお金に換算すると、年収ウン百万円に相当する的な話を良く聞きますが、ほんとそう思います。
主婦業って、可視化されていないノウハウが沢山詰まっていて、且つ色々な諸条件の元、突発的なイレギュラー対応もこなしつつ、マルチタスクでこなしている訳ですから、ウン百万円でも安いくらいだと個人的には思うのです。

私の仕事は、プロジェクトマネジメントにおいて、既存の業務プロセスに潜む問題を改善していくことなのですが、その際、ざっくりと業務フローを描いてみて、業務の流れそのものをクライアントと確認する訳です。
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まぁ、こんな感じに。
これは分かりやすく、多岐に渡る主婦業の中の1つ "夕飯作り" にクローズアップして考えた例です。

「どんな感じに夕飯作りって進めてますか?」と質問すれば、大体こんな感じの業務の流れを説明してくれると思います。
私は主婦業を経験した事が無いので、今の段階でこの業務フローが正しいのか、はたまた問題があるのか、私には分かりません。

で、私がこのフローの通りに家族の夕飯を作ろうとした場合、ちゃんと夕飯を作る事が出来るのか?を考えてみます。

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きっと、いきなり1stStepの「献立を決める」の時点で躓くと思います。
「そもそも、どうやって献立って決めているの?」と。

私は独り者なので、自分が食べたい物を食べに行ったり、買って食べれば良い訳ですが、家族の為の夕飯と考えると、何をトリガーとして夕飯の献立を決めるのか、立ち止まって考えてしまいます。

それに、調理中に「あ!〇〇を買い忘れた!」となったら、調理を中断して再度買い物に行くのか?とか、再度買い物に行ったけど、もしそれが売っていなかったら、この時点で献立を変更せざるを得ないのか?とか、色々考えていくと、好き嫌いやアレルギー、そして家族の予定や健康状態なども考慮すると、コレはなかなか難しい業務だぞ?と。
それに、家族がいれば翌日の朝ご飯や翌日のお弁当のおかずの作り置きや仕込みなども、いっぺんに済ませちゃった方が効率が良かったりするので、そう言った付加的業務タスクについても、パラレルに推進した方がトータルのリードタイムが縮まることもある訳で、業務プロセスを洗い出すのも、相当大変です。

業務プロセスを可視化する上で、ETVXというツールを用いて、以下の様に各プロセスを定義づけていきます。
E:Entry Criteria(開始条件)
 何(情報/成果物/タイミング)をトリガーにしてそのプロセスが開始されるのか?
T:Task(タスク)
 このプロセスでは具体的に何をどういう順番で実行するのか?
V:Validation(測定の尺度)
 このプロセスの完遂は何を以て判断するのか?
X:eXit Criteria(終了条件)
 このプロセスを終了する為の条件、次のプロセスに渡す作業成果物は何か?

ETVXに則って、夕飯作りの一連のプロセスを可視化していくと、こんな感じで洗い出せるかと思います。
まずは、「献立を決める」というプロセス。
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そして、次は「食材買出し」というプロセス。
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一連のプロセスの最初の2つのみ、例として挙げてみましたが、こんな感じで総てのプロセスに対して、ETVXを洗い出すと、プロセスの妥当性が見えてきます。
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例えば、前のプロセスの [X] が、次のプロセスの [E] に繋がっていなければ、以下の様な可能性がある訳です。
・前のプロセスが意味のない無駄なプロセスになっている可能性
  例 どこにも使われる事のない成果物を作るプロセス=無駄なプロセス
・前のプロセスとの間に可視化されていないプロセスが隠れている可能性
  例 担当者は当たり前にやっているが、他者は全く解らないブラックBOX的プロセス

…という事で、1つ1つのプロセスにおいて、いかに詳細にETVXを洗い出せるか?が、業務プロセスの可視化の鍵となります。
そして、可視化されればそこに潜む問題点改善ポイントも見えてくる訳です。
しかし、主婦業未経験の私の頭で考えて洗い出せるレベルとしては、せいぜいこのレベルが限界です。
あとは実際にインタビューを交えながら、本人すら気付いていないノウハウやナレッジを引き出し、それを言語化し業務プロセスに落とし込んでいく、という工程を経て、"夕飯作り" という超絶複雑なスーパーマルチタスク業務のプロセスを定義していける訳ですが、気の遠くなる作業なんです。

夕飯作りだけでもコレだけ複雑なのに、夕飯作りと並ぶ複雑な業務がまだまだ沢山ある訳で、主婦業を日々こなしている皆様には、ほんと頭が下がります。

まぁでも、仮に夕飯作りだけでもプロセスが明確にできれば、それをマニュアル化する事で、部分的に外部委託(旦那さんやお子さんに)する事も可能となりますし、"家族の予定が解らないから作る分量が決まらない" というボトルネックも、業務改善の為に夕方4時までに家族のGoogleカレンダーに今夜の予定や夕飯のリクエスト、明日の弁当要否などを入力してくれ、と周知徹底する事で、少なくとも献立は立て易くなる筈で、細々とした見えなかった困りごとが解消されるかも知れません。

という事で、主婦業という、業務プロセス改善のプロが見ても超複雑且つマルチタスク且つ複合条件が入り乱れている、とてつもなく難しい業務をこなしている皆様におかれましては、もっともっと周りの協力を仰いでも良いかと思いますし、家族のメンバーももっと協力し合えると色々とうまく回るのだと思います。

まぁそんな訳で今日は珍しく仕事に絡めて、主婦業のほんの一部をピックアップしてみましたが、主婦業の多くの部分を完全にプロセス化出来れば、かなり精度の高い主婦代行業者の業務マニュアルを作れそうだな…とか金儲け的なイヤらしい考えが首をもたげてきましたのでこの辺で締め括ろうと思います。

それでは皆さんごきげんよう